意外と知られていない、金魚の数と水槽の大きさが関係する酸素量

金魚に関わらず、魚を飼う時に、水中の酸素の量は重要です。少ない水の中に金魚をたくさん入れれば、それだけ酸素がなくなるので、たくさんの金魚を飼う時は、それだけ水も
たくさん要るということです。

水槽の中に管を入れて、空気を出す装置をエアレーションと言いますが、それを使っている場合は、金魚の大きさ1センチに付き、1リットルの水が必要です。しかし、そういう装置を使っていない場合は1.5倍の水が必要になります。

通常、酸素は何もしなくても、水面から少しずつ水に溶け込んでいきます。池やすいれん鉢などを使って、屋外で金魚を飼う場合は、一般に金魚に対して水の量も多くなり、雨などで酸素が水に溶け込む量も増えます。

しかし、屋内で水槽などで飼う場合は、水の量が少なくなりがちなので、エアレーションをする必要が出てくるのです。もちろん、大きな水槽で飼う場合は別ですが、室内に水槽を
置いて金魚を飼う場合は、横見の観賞用にすることが多いので、大きな水槽に少しの金魚だと何だか寂しく感じることもあると思います。そうなると、もう少し増やそうかなと思って
しまいませんか?それで、結果的にたくさんの金魚を入れてしまい、酸素が足りず、エアレーションが必要になるのです。

ところで、エアレーションのあの泡、なんとなく酸素のような気がしていませんか?実は、空気中の酸素の濃度は20%程度でほとんどが窒素なので、ただポンプで空気を送るだけの
あの装置では酸素が出てくるわけはないのです。

では、なぜあの装置が必要になるかと言うと、空気を出して水面を揺らすことで水面の表面積を増やし、酸素が溶け込みやすくするのです。上で、「屋外で飼う場合は雨などで
酸素が水に溶け込む量が増える」と書いたのは、別に雨に多く酸素が溶け込んでいるわけではなく、雨で水面が揺れ、表面積が増えることが理由です。ですので、水面が揺れ
れば、特にエアレーションでなくても良いということです。

水槽の水をろ過する装置として、上面ろ過機や外掛け式フィルターがありますが、これらは水槽の水を汲み上げてろ過し、上からろ過したきれいな水を入れるという方式の装置です。
そのため、水を入れる時に水面が揺れ、表面積が増えることで溶け込む酸素の量が増えます。つまり、このような装置をつけるのであれば、エアレーションは必要ないということ
です。

また、ろ過装置は値段も高いし、エアレーションもモーターの音や振動音が気になって使いたくないという場合、どちらも使わずに酸素を取り入れる方法があります。それは、水草
です。

水草は二酸化炭素を取り入れて、酸素を出すという光合成を行うので、それを利用します。ただこれには光が必要なので、水槽を明るい場所に置いて光を当てることが大事です。
蛍光灯の明かりを利用すればと思う人もいると思いますが、蛍光灯では光が弱く、日光の代わりに利用する場合は、かなり長時間点けておかなければなりません。

なお、金魚は水草を食べる習性があるので、光合成に利用したい場合は、金魚に食べられにくい、少し葉が硬めのものを選ぶことをオススメします。