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金魚の特徴は色々。合う種類、合わない種類

同じ水槽に何種類もの金魚が泳いでいる光景。とてもきれいで楽しくなりますよね。でも実際には金魚は雑食で、口に入るものは何でも食べようとします。そのため、金魚同士の
大きさや性格の違いを考えて、混泳できるかどうか考えなければなりません。

気の強い性格の金魚と気の弱い性格の金魚では、例え大きさが逆転していても、気の弱い性格の金魚が怯えて震えているなんてこともあります。また、性格は大して変わらな
くても、大きさが違うことで小さい金魚が追いかけられたり、つつかれたりして弱っていくということもあります。

また、金魚は100種類以上の品種があると言われるほど品種の多い魚ですが、泳ぎ方の違いなどから、一緒に入れられる種類と難しい種類があるのです。

その中で体型の違いから大まかに、和金型、琉金型、オランダ型、独特の特徴を持つ個性派タイプに分けられます。

和金型には、細身の体型でフナのような尾を持つ和金、吹き流し尾を持つコメットや朱文金という金魚がいますが、これらは皆、泳ぎが得意で、餌を食べるのも上手です。なので、
これらの品種同士を混泳させるのは、大丈夫と思われます。

これに対して琉金型やオランダ型と呼ばれる、体高があり金魚として一番にイメージされる体型の金魚がいます。開き尾をもつ琉金や頭部に肉瘤のあるオランダ獅子頭・丹頂は泳ぐ
速度も遅いため、一般に和金型との混泳は避けられています。泳ぎが遅いことで、つつかれたり、追いかけられたりすることが考えられるからです。ただ、小さい時から一緒に
育てて、性格的に上手くいく個体同士であれば、混泳させている水槽もあります。

なお、どうしても水槽を増やすことができなかったりして、和金型と琉金型を同じ水槽で飼いたい場合、水槽に隠れ場所となる水草を入れるという方法もあります。必ずうまくいくとは
限りませんが、これらを入れることで、立場が弱い方の金魚が安心して棲める場所を作ってあげるのです。

また、独特な特徴を持つ金魚として、出目金や水泡眼、頂点眼やピンポンパール、ランチュウなどの品種がありますが、これらは個別の水槽で飼育する方が良いでしょう。眼が出て
いるタイプの金魚は、眼を傷つけられると元に戻らなかったり、その部分から病気になってしまうこともあるからです。また、背びれのないランチュウや腹が膨れて丸い体型のピンポン
パールは、極端に泳ぎが下手です。そのため、他の種類の金魚と混泳させると餌にもありつけず、弱っていくことが考えられます。

なお、特定の品種を繁殖させたい場合も、その品種だけ別の水槽で飼うことが大事です。金魚は相手を選ばず交配するので、違う種類の金魚が入っているといわゆる雑種が
生まれる可能性があります。同じ品種同士でも突然変異の個体が生まれることがありますし、突然変異とは言わないまでもヒレの形や向き、色などが異なり、評価の下がる金魚が
生まれることは珍しくありません。逆に言えば、それほど金魚には全く同じ色・形をした個体はなく、それぞれの特徴を楽しめる観賞魚なのです。

高知県の天然記念物!優美な姿で女王の異名を持つ金魚・・土佐錦魚

土佐錦魚(トサキン)は、その名の通り、土佐の国(高知県)に由来する金魚で、土佐で独自に品種改良された金魚です。つまり、純粋な国産金魚です。

土佐錦魚の歴史は古く、江戸時代に大阪らんちゅう(ランチュウという背びれのない、体に厚みのある金魚の一種。通常、ランチュウには頭部に肉瘤があるが、大阪らんちゅうには
無い。)と琉金(開き尾を持つ体型が丸い金魚)を交配させて作られたと言われています。体形は琉金に似ていますが、際立って大きな尾を持っているのが特徴です。尾びれは左右
両端から前方に柔らかく反転していて、後方は扇のように水平に広がっています。泳ぐ速度もゆっくりで、その大きく美しい尾を左右に揺らし泳ぐ姿が優美なところから金魚の「女王」
と言われています。体色も赤・更紗(紅白)・白・黄金と様々です。金魚は稚魚の時は黒っぽい色をしていて、その後次第に色が変わってくるのですが、この土佐錦魚は他の金魚に
比べて色変わりが遅いため、三年以上の親魚でも黒いものは珍しくありません。

また、土佐錦魚は、「島根県のいづもナンキン」「愛知県の地金(六鱗)」に次ぐ、日本の三大地金魚の一つです。地金魚というのは、その地域で独自に作られた金魚で、その地域で
しか見ることができない希少性の高い金魚です。そのため、昭和44年8月8日に、高知県の天然記念物に指定されました。

そして、この土佐錦魚には、保存会が結成されていて、長年に渡り保存・普及活動も行われています。土佐錦魚は、尾びれが美しく特徴がありますが、実は、繁殖の際にこの形に
なる金魚は少なく、何万尾に一尾という確率でしか、天然記念物として登録できないほど保存が難しいのです。つまり、ほとんどが少し形が異なる評価の低い土佐錦魚になってしまう
ということです。土佐錦魚は、琉金の交配から品種改良されています。琉金の開き尾は、左右への広がりだけでなく、上下にも開くので、その特徴が土佐錦魚に影響しているのかも
しれません。はっきりした原因は分からないのですが、何れにしても尾びれの形が変形してしまう個体が多いのです。

さらに、土佐錦魚は南国生まれのためか、低温に弱く、体質も繊細で飼育が難しい金魚です。

土佐錦魚は昭和21年の南海大地震で絶滅寸前の数匹になってしまい、現在の土佐錦魚はその数匹から繁殖が繰り返され増えたものです。そのため、血が濃くなり、体質が弱い
のではないかと考えられています。しかし、体質が弱いと言われながらも、太陽を好む金魚なので、飼育場所は屋外が適しています。そして水質悪化に弱く、しかし、水質の変化に
敏感な金魚なので、水の入れ替えをする場合は一日以上置いた汲み置き水を、捨てた古水分だけ足すという方法で行います。なお、夏場は水質が悪化しやすいので、ほぼ全部を
変え、これを毎日行うという方法です。そのような点が体質が繊細と言われる所以かもしれません。何れにしても、飼育が難しく、高価な金魚です。

金魚なのに泳ぎは苦手?姿形が愛くるしい・・ピンポンパール

ピンポンパールという金魚の名前、あまり聞いたことのない品種だと思います。このピンポンパールは、「珍珠鱗」(チンシュリン)という品種の一部です。この字を見てなんとなく
想像がつくのではないかと思いますが、珍珠鱗の原産地は中国です。日本には昭和30年代に渡来してきました。

名前の意味ですが、珍珠というのは真珠のこと、つまり真珠の鱗です。その名の通り、この品種は鱗に特徴があり、一枚一枚の鱗は真珠を半分に割ったような形で白く、体に沿う
感じではなく、隆起したようについているのです。そこから「パール」や「パールスケール」と呼ばれるようになりました。この珍珠鱗の腹が膨らんで提灯型をしたものがピンポン玉に
似ていることから「ピンポンパール」、頭に肉瘤があるものを「コウトウパール」と名づけられました。しかし、その後、ピンポンパールの丸い体型、泳ぎ方が人気となり、現在では
珍珠鱗=ピンポンパールが一般的になっています。

ピンポンパールの体形は、上に書いた通り、ピンポンのような丸い体型、それと短い尾です。尾の形は開き尾ですが、体全体の長さが短いこともあって、泳ぎは得意ではなく、
転覆してしまう個体もいます。

また、ピンポンパールは成長するに従って色が変わってくるのですが、その色は多彩です。素赤(全身が橙から赤色の単色)や更紗(紅白)、キャリコ柄(赤・黒・浅葱色の三色を
持つ)のものは他の品種にも見られ、そんなに珍しい体色ではないのですが、「虎ピンポンパール」や「ミルクピンポンパール」、「フナ色ピンポンパール」は、なかなか他では
聞かない色かもしれません。虎というのは、まさに虎をイメージする黄色(橙)と黒の配色です。橙の体に、背中には黒の模様があります。また、ミルクは全身が淡いピンク色に黒い
瞳が特徴です。体色が薄い色でパールのイメージに近いため、瞳の黒が引き立っています。さらに、フナ色はその名の通り、フナに似た黒っぽい色です。しかし、このフナ色が意外と
成長途中の場合があり、フナ色で買ったつもりが、飼っているうちに色が変わってきたということもよく聞きます。

なお他にも、体色ではなく、体に特徴のある部分が現れ、そこから名前の付いたものもあります。「出目ピンポンパール」はその名の通り、眼が出ていて、出目金のイメージです。

体はピンポンパールですが、眼だけが違うという感じです。また、「ちょうちんパール」という尾だけはフナ尾(フナの尾の形と同じ)で、その他はピンポンパールという個体もいます。

なお、これらの出目ピンポンパールやちょうちんパールは体の一部に独特の特徴があるだけで、体色は様々です。

そして泳ぎ方ですが、上にも書いたとおり、他の金魚に比べてかなり泳ぎは下手です。その体型とヒレの長さから泳ぎが下手なのは仕方ないのかもしれませんが、かえってそれが
かわいいと、特に女性の間で人気があります。そのため、流通量も多く、ホームセンターや専門店でよく見かけることができます。

現在も改良が続く、背びれのない「金魚の王様」・・ランチュウ

ランチュウという金魚、魚のイメージはつかなくとも、名前だけでも聞いたことはないでしょうか。この金魚は歴史が古く、作出国は日本です。

ランチュウは、日本最古の金魚飼育書に「卵虫」として載っています。しかし、これは「マルコ」という、オランダ人によって中国から長崎(出島)に持ち込まれた金魚です。出島と聞いて
察しのついた人は多いかと思いますが、その時代は江戸時代です。鎖国だったため、持ち込まれたのは唯一の貿易港「出島」だったのです。

元々、マルコは和金が品種改良されたもので、現在のランチュウとは少し体形が違います。ランチュウの一番の特徴は頭にある肉瘤ですが、マルコにはありません。このマルコから
さらに品種改良が行われ、現在のランチュウが作出されるのですが、現在の体形になったのは明治以降の品種改良からです。

ランチュウは背びれがなく、体に厚みがあり幅があります。尾は三つ尾、四つ尾、サクラ尾が標準です。三つ尾というのは、上から見た時に、尾びれが左右に三つに分かれている
もの、四つ尾というのは同様に四つに分かれているものを言います。また、サクラ尾は三つ尾の真ん中に切れ込みが入っていて、サクラの花びらのように見えることから、この名前が
つけられました。

ランチュウの体色は、赤か更紗が多いのですが、実は生まれた時は黒です。成長するにしたがって、色が変わってくるので、その点でも飼育する楽しみがあると言えます。また、上に
書いたとおり、頭には肉瘤が発達しています。

ランチュウには、「大阪ランチュウ」「協会系」「宇野系」という三つの系統があります。これらは、ランチュウを品種改良する上で、重視した点が違うためにそれぞれの特徴が違い、
ランチュウという品種の中で、さらに個別の品種ができているような状態になっています。

大阪ランチュウは、マルコから品種改良されたランチュウの原型をそのまま維持した体型ですが、一旦絶滅しました。その後、大阪ランチュウに似た品種が見つかり、少しずつ繁殖を
行っています。しかし依然として流通量は少ない系統です。

協会系は、日本らんちう協会の審査基準を重視した系統で、尾の付け根部分の太さや尾の形に重点を置いています。尾の付け根の太さが違えば、泳ぎ方が違ってくるので、
泳ぎの違いに重点をおいていると言ってもよいと思います。

宇野系は、肉瘤の付き方と体色に重点を置いた系統です。

このように同じ品種でありながら、全く別の考え方で系統が分かれています。ランチュウは、それぞれの系統が今なお発展しています。日本らんちう協会では、毎年全国品評大会を
行っています。協会系のらんちゅうは、その審査基準を重視しているということです。また、各地で愛好会が発足されているということからも、昔から愛好家によって品種改良が続け
られ、金魚の中で最も改良が進んだ品種であることがわかると思います。そのため、「金魚の王様」と呼ばれるのです。