金魚の原点!?金魚すくいの定番・・和金

和金を一番見かけるのは、金魚すくいのあの囲いの中ではないでしょうか。これって「赤いフナ?」って思ってしまう、あの魚です。

和金は室町時代中期に、最初に中国から渡ってきた金魚です。当時、金魚は大変な高級魚で、飼うことができるのは貴族や大名など、限られた人たちばかりでした。

しかし、飼育方法や繁殖方法も確立されておらず、飼うのは大変だったようです。

現在では、和金は最も手に入りやすい、安価な金魚ですが、当時は金持ちが飼う愛玩具だったということです。

また、和金は名前のイメージから、もともと日本の金魚では?と思ってしまうかもしれませんが、後に次々と入ってくる他の金魚と区別するためにつけられた名前です。

和金はヒブナの突然変異で生まれた魚で、体格が小さいものを「小金」、大きいものを「姉金」と言います。

尾の形も、最も有名なのはフナ尾ですが、三つ尾、四つ尾もあります。これらも、突然変異で現れた品種です。

体の色は、赤が一般的ですが、白や紅白もいます。和金は、金魚すくいなどで簡単に手に入るイメージですが、こうした突然変異で現れた品種は値段も高くなります。

紅白の和金を更紗和金と言い、この更紗和金の三ツ尾、四つ尾は大変高価な品種として売られています。もともと、中国から渡来した金魚ですが、
その後日本で繁殖・交配が行われ、現在の金魚の種類全ては、和金から派生しています。つまり、和金は金魚の原点なのです。

和金は、ヒブナに最も近い金魚なので、泳ぐ速さも早く、ヒブナに似ています。ヒブナと金魚の違いは、ヒブナはもともとフナからの突然変異でヒブナには、赤の体色はありません。

フナは黒い体色を持つ魚で、ヒブナはオレンジがかった色になります。また、目の位置もヒブナの方が和金よりも下の方についていたりと、違いはあるのですが、なかなか見比べて
見ないと分からないかもしれません。何れにしても、現在では和金よりヒブナの方が手に入りにくい魚です。

また、和金はとても丈夫で長く生きます。しかし、金魚すくいでとった和金がすぐに死んでしまったという話もよく聞くと思います。金魚すくいに入っている金魚は、ハネと呼ばれる
金魚であることがあります。ハネとは、繁殖を繰り返すうちに、形に異変がおこってしまい、金魚としての価値が低くなった魚のことです。

形に異変が起こると泳ぐ速度も遅くなり、餌が食べにくくなります。そのため、すぐに死んでしまうことがあるのです。他には、多くの魚が同じ水槽に入っていることで
ストレスがかかっていたり、病気にかかっている場合もあります。ですので、金魚すくいでとった魚は必ずしも長生きするとは限りません。しかし、一般的に和金は丈夫で長生き、
43年生きたという記録もあるようです。そして、その体長も大きくなります。ただ、和金を入れている水槽などの大きさによって、体長は違ってくるようです。

つまり、あまり大きくなってほしくなければ、小さめの水槽で、餌も控えめに与えた方がよいということです。