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金魚の寿命は水質次第!?水環境造りの必須アイテム・・ろ過装置

金魚は観賞魚の中でも、よく餌を食べ、よくフンをする魚です。そのため、水質が悪化し易く、常に綺麗な水で飼育しようとすれば水替えの頻度がかなり高くなります。綺麗な水に
保つことは確かに大切なことですが、水替えが増えれば、金魚にもストレスになり、水質も常に一定というわけにはいかなくなります。

そこで、水槽にろ過装置を取り付けることで、水替えの頻度は極端に減り、金魚にも快適な水環境で飼うことができるようになります。

では、ろ過にはどんな働きがあるのでしょうか。まず、一番分かりやすい役割として、水中のごみを取り除くということです。これを物理ろ過と言います。水に溶けていない餌の残りカス
やフンなどは次第に水に溶け、水質悪化の原因になります。そのため、水に溶ける前に、除去することは大切なことです。

次にバクテリアによって、水に溶けた水質悪化の原因となる物質を分解する生物ろ過という役割があります。物理ろ過では取り除けない水に溶けた成分を、生物ろ過によって分解
し、金魚に害のないものに変えるのです。これらはどちらも大事な働きで、物理ろ過だけでは、水中の溶け込んでしまった成分が水質を悪化させ、生物ろ過だけでは水中の水質悪化
の原因となる成分が多すぎて、分解が間に合わないことで、水質が悪くなってしまうという結果をもたらします。

そこで、この物理ろ過と生物ろ過の両方を行える装置が有効になってきます。ろ過装置にはさまざまな種類があり、もちろんその構造で物理ろ過のみ、生物ろ過のみ、その両方が
行えるタイプがあります。45センチ程度の水槽や金魚鉢のように小さな容器で飼育している場合は、外掛けフィルターで物理ろ過を行い、投げ込み式フィルターで生物ろ過を行う方法
がよいと思います。どちらも、ホームセンターなどで簡単に手に入り、価格もそれほど高くありません。外掛けフィルターという装置は、水槽のふちに取り付けそこでろ過する装置です
が、物理ろ過であればろ材は、ウールでよいでしょう。また投げ込み式フィルターは水槽内に、フィルターの付いた状態の装置を入れます。大きさとしては、それほど大きくはないの
ですが、その分構造的に表面積が広くなるような作りになっています。

60センチ以上の大きな水槽の場合は、上部フィルターがオススメです。これは一台で、物理ろ過、生物ろ過のどちらも行ってしまえる装置です。ただ、水槽の真上に置く設置の仕方
になるので、水槽が暗くなったりメンテナンスに時間がかかる、外掛け式や投げ込み式に比べて価格も高くなるというデメリットがあります。

なお、この他に、底面フィルターという方法もあります。ろ過能力が高く、比較的リーズナブルな価格で売られているという利点はありますが、メンテナンスをする際、底石を全て取り
除いて行わなければならないので大変です。

価格や水槽への取り付け方法などを考慮し、メンテナンスしやすいろ過装置を選ぶことが、金魚を安定した水環境で飼える第一歩だと思います。

水草はただの装飾品ではない!?金魚に果たす水草の役割

水槽に水草や土管・テトラポッドなどが入っていると、ちょっと目を楽しませてくれるそんな癒しの水槽になりそうですよね。特に室内で飼う場合は、部屋の雰囲気も変わり、イン
テリアの一部になると思います。

ところで、そもそもこれらの装飾品とも思われる水草や土管などは金魚にとって必要なのでしょうか。入れている金魚の種類にも依りますが、出目金や水泡眼など眼が出ていたり、
水泡があるような種類の金魚は、土管やテトラポッドなど人工的に作られた物で眼を傷つけられてしまう可能性があります。水草も葉の硬いものは、同様のことが考えられます。

これらの眼に特徴のある金魚は、視力が悪いと言われているので、それも原因の一つかもしれません。また、小さな水槽の場合、泳ぐ空間が減ってしまうというデメリットが考えられ
ます。

しかし、水草や土管・テトラポッドは金魚の隠れ家になります。臆病な金魚や体が小さめで他の金魚から追いかけられたりしている金魚にとっては、よい逃げ場になることが考えられ
ます。

それに、水草を入れることで水質悪化の原因となる水中の栄養素を取り入れ、水質をよくしたり、光合成で酸素量が増えたりします。また、金魚を繁殖させたい場合は、水草は産卵
場所にもなります。

水草は土管やテトラポッドのような人工物に比べ、非常食にもなり、金魚もどちらかと言えば水草を好む傾向があります。しかし、水草には、すぐに金魚につつかれたり、食べられたり
する種類があるので、金魚と相性のいい種類を選ぶことをオススメします。

金魚は雑食なので、食べられにくい、葉が丈夫なものを選びます。また、隠れ家にするためにも浮かせて入れるのではなく、底石や小鉢を使って底に固定する方がよいでしょう。

実際に金魚と相性の良いアヌビアス・ナナやアナカリスは根をはりやすいので、固定することをオススメします。また、水草は植物なので、光が必要です。水槽を光の入る窓際に
置いたり、蛍光灯を数時間つけるなど、光を取り入れましょう。なお、水草が必要とするものに二酸化炭素や酸素がありますが、二酸化炭素は金魚が呼吸する際に出す量程度の
もので育つ種類の水草にしましょう。中には、二酸化炭素をたくさん必要とする水草もありますが、その場合は、別に二酸化炭素を添加する必要が出てきます。酸素については、
金魚にも必要になるものなので、エアレーションなどを利用して、水草のために金魚が酸素不足にならないようにすることが大事です。

水草は、屋外で金魚を飼う場合にはホテイアオイなど光を多く必要とする種類も育ちやすいのですが、室内では光を取り入れるのが難しい場合が多いので、あまり光を必要としない
種類を選ぶ方が良いでしょう。そして、もしたくさん水草が増えてしまったら、金魚が泳ぐ空間が減るので、定期的に水草の手入れも必要になります。金魚だけでなく、水草も世話を
する心構えで水草を入れて、どちらも健康的に育つ水槽にしましょう。

金魚が病気になったかも!病気の兆候とその対処法

金魚も病気にかかることがあります。しかし、病気になっても診てくれる動物病院はあまりありません。そこで、飼い主が何とか対処しなければならくなるのですが、病気の兆候を早く
見つけ、早期に対処することが必要になってきます。

ところで、病気の兆候と一口に言っても、それは様々です。変な泳ぎ方をしていたり、水底でじっとしているまたは、ひっくり返っているなど、明らかに普段とは違う行動が見られたら、
病気かもしれません。また、行動だけでなく、金魚の体に何か着いていたり、エラの様子やヒレの形が違っている場合もあります。普段から金魚の様子を観察し、いつもと違うところを
見分けることが大事です。

もし、病気かもしれないという兆候がある金魚がいたら、まず、その金魚だけ隔離しましょう。金魚には多くの病気があり、余程代表的な症状でもなければ、素人で病名まで分かる
ということは考えられません。病気には感染するものと感染しないものがありますが、病名が分からない以上それも分からないので、他の金魚にうつらないよう、隔離した方が無難
です。また、専門の薬を使う場合は、健康な金魚に悪影響を与える可能性も考えられるので隔離することをオススメします。

病気の治療として、比較的簡単に行えるのは、食塩水を使う方法です。塩には殺菌効果がありますが、この方法にする一番の目的は、体内の働きを助け、呼吸などを楽にするという
ことです。金魚の体内に流れている血液や体液には、一定の濃度があります。そのため、通常、外部から水が体内に入ってこないように体表の粘膜で守っているのです。しかし、
エラの部分は酸素を取り入れなければならず、すぐそばに血管が通っていることもあって、厳しい条件の中で、外からの水の浸入を防いでいます。そこで、食塩水を使ってその部分
の機能を助け、呼吸をしやすくすることで、体力を上げ、自己治癒力を高めるのです。

では、食塩水はどれくらいの濃度にすればいいのでしょうか。実は、金魚は外部からの水を全て遮断している訳ではなく、少量の新しい水を取り込んで、体内で調整しています。

そのため、食塩水の濃度は体液より少し低い濃度にします。一般的に1%強くらいの値になるのですが、コントロールが難しいので、初心者は0.5%からはじめると良いでしょう。

あまり食塩水の濃度が高くなると、金魚の体液が外部に出てしまい、死んでしまいます。また、食塩水を作る時は、新しく用意した水ではなく、それまで入っていた水槽の水を使うこと
をオススメします。金魚にとって、水環境の変化は体に大きな負担を与えます。そのため、水温やその他の水質バランスが変わらないようにした方が、治療の効果が出やすいの
です。

また、病原菌以外に寄生虫が原因で病気になる場合もあります。その場合、寄生虫を取り除くという治療法が効果的です。なお、寄生虫は水槽内で繁殖していることもあるので、
水槽内の消毒も忘れずに行いましょう。

水造りは金魚飼育の第一歩!カルキ抜きとバクテリアの重要性

金魚を飼う上で、欠かせないのが水造りです。水造りとは、金魚にとって棲みやすい水質にするための水にするということ。

まず、基本的に特別な水を使う訳ではなく、水道水で十分です。ただ、水道水には塩素が入っていて、この塩素から発生するガスは金魚のエラの細胞を壊してしまうので、この
塩素を除去する必要があるのです。これを一般に「カルキ抜き」と言います。カルキ抜きには、いくつかの方法があります。

まず、市販の中和剤(ハイポ)を使う。これは特に専門店などに行かなくても、ホームセンターなどでも売られている手に入りやすい薬品です。固形のものや液体のものがありますが、
固形を使用する場合、きちんと水に溶かしてから金魚を入れましょう。

次に、汲み置き水を使う。水道水をあらかじめバケツなどに汲んでおいて、半日から一日置いておきます。水道水に含まれる塩素は、長時間置いておくと次第に空気中に放出されて
いくので、時間のある時には最も簡単な方法です。しかし、水道水の塩素の量は、その地域の水質によって濃度が違うので、塩素濃度の高い地域では、一日以上置いておく必要が
あるかもしれません。

ここまでが、一般的なカルキ抜きの方法ですが、他には煮沸するという方法もあります。10分程水道水を煮沸して冷ますのですが、煮沸すると塩素だけでなく、酸素も空気中に放出
されてしまうので、冷ました後にエアレーションをして、水の中に酸素を取り入れることが必要です。また、この煮沸方法では、水槽が大きい場合、大量の水を煮沸して冷ますという
大がかりな作業になるので、時間と手間がかかります。なお、浄水器の水を使うという方法もあります。最近は浄水器を設置している家庭が多いので、この水が利用できれば
水造りが簡単にできます。しかし、浄水器には完全に塩素が抜けないものがあったり、アルカリイオン水が出るタイプのものもあります。アルカリイオン水は金魚にとって、あまり適した
水とは言えないので、使用している機種の取り扱い説明書などで確認した方がよいでしょう。

また、水造りとしてバクテリアの存在も重要です。バクテリアとは微生物のことなのですが、このバクテリアが実は水造りに大きな働きをします。

バクテリアには、餌の食べ残しやフン・おしっこなどを分解して無害にするという働きがあるのです。つまり、このバクテリアが多いと水質悪化の原因となる餌の食べ残し、フン・おしっこ
などを分解してくれるので、水質が悪くなりにくくなるということです。このような働きをしてくれるバクテリアは好気性という、酸素がないと働かないという性質があるので、エアレー
ションで酸素を多く取り込む必要があります。なお、水替えの時に全部の水を換えない理由の一つとして、このバクテリアが水槽からいなくならないようにするためということがあるの
ですが、もし水をすべて換える必要がある時は、フィルターや水槽内に入れている器具などを洗わないことで、引き続きバクテリアを水槽に残すことができます。

金魚の特徴が餌の種類を決める!?目的に合った餌の選び方

金魚の餌と一口に言っても、その種類は様々です。イメージとしては、水面に浮かんでいる餌を食べているという感じでしょうか。

餌には、まず水に浮くタイプと浮かないタイプがあります。浮くタイプと言っても、何れは水に沈んでいきますが、すぐに沈まないので、金魚が餌を見つけやすく、食べ残しが少なくなる
ため、水質が悪くなりにくいという利点があります。しかし、金魚の種類によっては出目金などのように眼が出ていて水面の餌が食べにくい金魚もいます。そのような場合、浮かない
タイプの餌がオススメです。

また、餌の大きさや形も色々ありますが、たぶん一番よく見かけるのは、EP飼料という粒状の餌だと思います。これは原料を発泡させて作るので、発泡具合によって浮く粒と浮かない
粒を作り分けることができます。ただし、発砲させて作るのであまり小さな粒を作ることができず、稚魚や小さな金魚には口に入らない大きさになってしまいます。そこで、そのEP飼料
を砕いて粉状にしたのが、顆粒飼料です。粉状なので、稚魚や小さい金魚にも食べることができ、オススメです。また、原料を板状に薄く伸ばし、それを割って作るフレーク飼料という
餌もあります。この餌は水を吸いやすく、水を吸うと柔らかくなるので金魚が少しつついただけでも小さくちぎれ、小さい種類の金魚でも食べることができます。水槽にろ過装置などを
つけている場合は、水に流れができ、餌を与えた時にその流れにのって餌が沈みやすくなります。そのため、混泳させている水槽では泳ぎが下手で餌にありつきにくい種類の金魚も
餌を食べられやすくなります。

また、その他、金魚の色を良くするタイプも見かけることがあります。色揚げと言うのですが、これは退色を抑えるものではなく、あくまでも本来の色以上のものを出すという効果を
期待するものです。

ところで、餌を与える回数や量についてですが、金魚は雑食性で餌を与えればすぐに寄ってきて食べるので、いつでもおなかを空かせているようなイメージではないでしょうか。

まず、買ってきたばかりの金魚は環境の変化でストレスがかかっていて、餌を食べても消化不良を起こす可能性があるので、1~2日は餌を与えない方がよいでしょう。

餌を与える量ですが、一般的には5分くらいで食べきれる量と言われています。たくさん餌をやり過ぎると残った餌が水に溶けて水質を悪くしてしまいます。また、琉金系の丸い体型を
した金魚は、餌を多く与えることで上下が逆さまになってしまう転覆病にかかりやすくなります。なお、これ以上大きな水槽にできないなど、金魚を大きくしたくない場合にも、餌の量は
控えた方が効果があります。

餌を与える回数ですが、朝夕2回でも、1日1回でも良いです。ただ、季節によって水温が変わることで、金魚が活発に動く時季、動かない時季があります。そのため、動かない
時季にたくさん餌を与えると消化しきれず、消化不良を起こすことがあるので、基本的に餌は少なめに与えることをオススメします。

水替え・掃除は金魚にとってストレス?便利なグッズでストレス軽減

ろ過装置を使って、どんなに綺麗にしている水槽でも、水は次第に汚れていきます。毎日与える餌の食べ残しや糞などで水質が悪くなると、pHが変わり、酸素も溶け込みにくくなり
ます。そして、金魚にとって、棲みにくい環境になるのです。しかし、目に見えて汚れているならともかく、水質変化だけであればなかなか分かりにくいものです。そこで、水が汚く
なってきたのでは?と感じられる金魚の行動を知っておくことが大事です。水が汚くなってくると、金魚は水面で口をパクパク開けていることが多くなります。上にも書いた通り、
酸素が溶け込みにくくなっているので、水中の酸素が足りないと考えられる行動です。また、水槽の水に関しては、白っぽくなっていたり、臭いがしたりという場合があります。

水替えのタイミングは装置の違いによって、若干頻度が違ってきますが、月に一回程度です。その際は全部の水を換えるのではなく、3分の1から半分くらいの量で換えます。ただ、
水替えをしようとしても大きな水槽であったり、ガラス製の水槽は重くて運べないという問題が出てくる場合があると思います。そんな時に役立つのがポンプです。水圧を利用した
手動式のものから、電池で動く電動式のものまで色々な種類があります。水槽の大きさや置いている場所を考えて使い分けると便利です。また、できるだけ底の水を汲み出すことで
底床に溜まったゴミを取り除くことができます。もともとゴミが溜まったことから水質が悪くなっているので、そのゴミを取り除くことは有効的です。ポンプも下に底床のゴミを取り除く
機能が付いたものもあるので、検討してみると良いかと思います。

また、月に一度水替えをしても、器具や底床(砂利)に汚れが溜まってくるので、数か月に一度は水槽の掃除をすることをオススメします。水槽の掃除は水替えよりも大がかりになる
ので、金魚にストレスを与えないためにも金魚を別の容器に避難させます。水槽の水を半分くらい別の容器に移し、その中に金魚も移すのですが、金魚は直接手で触らない方が
良いです。金魚に関わらず、魚や両生類のように水に棲む生き物には体表面に粘膜組織と言われる外部から身を守る粘膜を持っています。水中には敵となる生き物だけでなく、
バクテリアや微生物も居るので、鱗だけでなく、粘膜を持つことで体を守っているのです。そのため、手で直接金魚に触れるとどうしても少し力が入り、粘膜が取れてしまうことが考え
られます。もちろん、粘膜が取れても再び作られますが、その間に金魚が弱ってしまう可能性もあるので、直接触らず、専用のネットを使うことをオススメします。

水槽の掃除グッズとして専用に揃えた方が良いものは、ポンプと魚を掬うのに使うネットですが、その他は水槽に入れている器具に合わせて、ブラシやスポンジなど揃えると良いと
思います。特に水槽は傷がつかないよう、柔らかいスポンジなどを使いましょう。傷がつくと見た目もですが、傷ついた部分に汚れが溜まり、水質が早く悪くなることも考えられます。水質が悪いのは、金魚にとって良くない環境ですが、水替えや掃除も金魚にストレスを与えてしまうのは事実です。そのため、必要以上に水替え・掃除をしなくて良いよう、また
便利なグッズなどを利用して短時間で行えるように心がけることも必要です。

意外と知られていない、金魚の数と水槽の大きさが関係する酸素量

金魚に関わらず、魚を飼う時に、水中の酸素の量は重要です。少ない水の中に金魚をたくさん入れれば、それだけ酸素がなくなるので、たくさんの金魚を飼う時は、それだけ水も
たくさん要るということです。

水槽の中に管を入れて、空気を出す装置をエアレーションと言いますが、それを使っている場合は、金魚の大きさ1センチに付き、1リットルの水が必要です。しかし、そういう装置を使っていない場合は1.5倍の水が必要になります。

通常、酸素は何もしなくても、水面から少しずつ水に溶け込んでいきます。池やすいれん鉢などを使って、屋外で金魚を飼う場合は、一般に金魚に対して水の量も多くなり、雨などで酸素が水に溶け込む量も増えます。

しかし、屋内で水槽などで飼う場合は、水の量が少なくなりがちなので、エアレーションをする必要が出てくるのです。もちろん、大きな水槽で飼う場合は別ですが、室内に水槽を
置いて金魚を飼う場合は、横見の観賞用にすることが多いので、大きな水槽に少しの金魚だと何だか寂しく感じることもあると思います。そうなると、もう少し増やそうかなと思って
しまいませんか?それで、結果的にたくさんの金魚を入れてしまい、酸素が足りず、エアレーションが必要になるのです。

ところで、エアレーションのあの泡、なんとなく酸素のような気がしていませんか?実は、空気中の酸素の濃度は20%程度でほとんどが窒素なので、ただポンプで空気を送るだけの
あの装置では酸素が出てくるわけはないのです。

では、なぜあの装置が必要になるかと言うと、空気を出して水面を揺らすことで水面の表面積を増やし、酸素が溶け込みやすくするのです。上で、「屋外で飼う場合は雨などで
酸素が水に溶け込む量が増える」と書いたのは、別に雨に多く酸素が溶け込んでいるわけではなく、雨で水面が揺れ、表面積が増えることが理由です。ですので、水面が揺れ
れば、特にエアレーションでなくても良いということです。

水槽の水をろ過する装置として、上面ろ過機や外掛け式フィルターがありますが、これらは水槽の水を汲み上げてろ過し、上からろ過したきれいな水を入れるという方式の装置です。
そのため、水を入れる時に水面が揺れ、表面積が増えることで溶け込む酸素の量が増えます。つまり、このような装置をつけるのであれば、エアレーションは必要ないということ
です。

また、ろ過装置は値段も高いし、エアレーションもモーターの音や振動音が気になって使いたくないという場合、どちらも使わずに酸素を取り入れる方法があります。それは、水草
です。

水草は二酸化炭素を取り入れて、酸素を出すという光合成を行うので、それを利用します。ただこれには光が必要なので、水槽を明るい場所に置いて光を当てることが大事です。
蛍光灯の明かりを利用すればと思う人もいると思いますが、蛍光灯では光が弱く、日光の代わりに利用する場合は、かなり長時間点けておかなければなりません。

なお、金魚は水草を食べる習性があるので、光合成に利用したい場合は、金魚に食べられにくい、少し葉が硬めのものを選ぶことをオススメします。

アナタは金魚をどこで飼いますか?場所が違えば容器も変わる!?

一般的に、金魚は屋内で飼うイメージが強いのではないでしょうか。でも、屋外で飼ってはいけないというものではありません。もちろん外敵などの問題もありますが、そこをクリア
できれば不可能ではありません。

屋外で飼う場合、まず考えられるのは池です。池は鯉のイメージですが、ヒブナの変異した和金という種類の金魚は、形や泳ぎ方もフナに似ているし、大きさも大きいもので30~50
センチになります。しかし、広い環境で飼うと、金魚もそれに合わせて大きくなることが考えられるので、その点は注意しましょう。

他に屋外で飼う場合、トロ舟・すいれん鉢・すいれん鉢の代用として火鉢などで飼うことも考えられますが、これらは、横からは金魚を見ることができないので、上から見て楽しむと
いうことです。また、トロ舟というのは、セメントを練るための平たいプラスチック製の容器のことです。サイズは色々ありますが、何れにしてもセメントを練るためのものなので、水槽に比べるとかなり大きめです。このトロ舟は表面積が広く、深さも浅いということで観賞だけでなく、繁殖や飼育のために使われることも多いようです。

次に屋内で飼う場合はどうでしょうか。屋内の場合、圧倒的に観賞が目的です。そのため、色々な角度から見える水槽などの透明な容器が一般的です。

一口に水槽と言っても大きさは様々です。大きな物は90センチから、小さなものは30センチくらいまでが一般的に量販店などで売られているサイズです。

もちろん、金魚にとっては大きい方が良いに決まっていますが、取り扱いのしやすさなどから、45~60センチが一般的な大きさのようです。ただ、金魚の入れ過ぎには注意しましょう。

たくさん金魚を入れると、酸素不足やストレスからいじめが起こることも考えられます。ちなみに、30センチの水槽では、小型(3~5センチ)は3匹くらい、45センチの水槽では、5~7匹、60センチの水槽では7~10匹、90センチの水槽では10~15匹が良いようです。小型より大きなサイズの金魚は、この数より少なめに入れましょう。

また、水槽にも素材に違いがあり、ガラス製・アクリル製・プラスチック製があります。ガラス製は、水槽の角が湾曲になっていて金魚が見やすく、傷がつきにくいというメリットがあり
ますが、重くて割れやすいというデメリットもあります。アクリル製やプラスチック製は、軽くて丈夫というメリットがありますが、傷がつき易いため、長年使っていると透明度が落ちる、
また、角もつなぎ目があり、金魚が見にくいというデメリットがあります。メリット、デメリットをよく考えた上で、水槽を選びましょう。

ところで、金魚を入れる最も有名なものとして、金魚鉢があります。これは、名前からして金魚がついており、これに金魚以外のものを入れて飼うことはあまり考えられないと思い
ます。もともと、昔は金魚は池で飼われていました。金魚は室町時代に中国から渡来してきたものですが、その時代に水槽があったなんで、あまり考えられないと思います。

金魚鉢は、室内で金魚を見ることができる観賞用の容器として作られたものです。最近では、金魚鉢もいろいろなデザインのものがありますが、金魚を飼育するために作られて
いないため、飼育に必要な器具を取り付けるには、少々難しい形になっていることが多いのです。それに入る水の量も少なめなので、金魚鉢にたくさんの金魚を入れてしまうと酸素不足になってしまいます。そこで金魚鉢で飼育する場合、入れる金魚の数は少なめにして、水替えも頻繁に行う必要があります。

金魚の特徴は色々。合う種類、合わない種類

同じ水槽に何種類もの金魚が泳いでいる光景。とてもきれいで楽しくなりますよね。でも実際には金魚は雑食で、口に入るものは何でも食べようとします。そのため、金魚同士の
大きさや性格の違いを考えて、混泳できるかどうか考えなければなりません。

気の強い性格の金魚と気の弱い性格の金魚では、例え大きさが逆転していても、気の弱い性格の金魚が怯えて震えているなんてこともあります。また、性格は大して変わらな
くても、大きさが違うことで小さい金魚が追いかけられたり、つつかれたりして弱っていくということもあります。

また、金魚は100種類以上の品種があると言われるほど品種の多い魚ですが、泳ぎ方の違いなどから、一緒に入れられる種類と難しい種類があるのです。

その中で体型の違いから大まかに、和金型、琉金型、オランダ型、独特の特徴を持つ個性派タイプに分けられます。

和金型には、細身の体型でフナのような尾を持つ和金、吹き流し尾を持つコメットや朱文金という金魚がいますが、これらは皆、泳ぎが得意で、餌を食べるのも上手です。なので、
これらの品種同士を混泳させるのは、大丈夫と思われます。

これに対して琉金型やオランダ型と呼ばれる、体高があり金魚として一番にイメージされる体型の金魚がいます。開き尾をもつ琉金や頭部に肉瘤のあるオランダ獅子頭・丹頂は泳ぐ
速度も遅いため、一般に和金型との混泳は避けられています。泳ぎが遅いことで、つつかれたり、追いかけられたりすることが考えられるからです。ただ、小さい時から一緒に
育てて、性格的に上手くいく個体同士であれば、混泳させている水槽もあります。

なお、どうしても水槽を増やすことができなかったりして、和金型と琉金型を同じ水槽で飼いたい場合、水槽に隠れ場所となる水草を入れるという方法もあります。必ずうまくいくとは
限りませんが、これらを入れることで、立場が弱い方の金魚が安心して棲める場所を作ってあげるのです。

また、独特な特徴を持つ金魚として、出目金や水泡眼、頂点眼やピンポンパール、ランチュウなどの品種がありますが、これらは個別の水槽で飼育する方が良いでしょう。眼が出て
いるタイプの金魚は、眼を傷つけられると元に戻らなかったり、その部分から病気になってしまうこともあるからです。また、背びれのないランチュウや腹が膨れて丸い体型のピンポン
パールは、極端に泳ぎが下手です。そのため、他の種類の金魚と混泳させると餌にもありつけず、弱っていくことが考えられます。

なお、特定の品種を繁殖させたい場合も、その品種だけ別の水槽で飼うことが大事です。金魚は相手を選ばず交配するので、違う種類の金魚が入っているといわゆる雑種が
生まれる可能性があります。同じ品種同士でも突然変異の個体が生まれることがありますし、突然変異とは言わないまでもヒレの形や向き、色などが異なり、評価の下がる金魚が
生まれることは珍しくありません。逆に言えば、それほど金魚には全く同じ色・形をした個体はなく、それぞれの特徴を楽しめる観賞魚なのです。

高知県の天然記念物!優美な姿で女王の異名を持つ金魚・・土佐錦魚

土佐錦魚(トサキン)は、その名の通り、土佐の国(高知県)に由来する金魚で、土佐で独自に品種改良された金魚です。つまり、純粋な国産金魚です。

土佐錦魚の歴史は古く、江戸時代に大阪らんちゅう(ランチュウという背びれのない、体に厚みのある金魚の一種。通常、ランチュウには頭部に肉瘤があるが、大阪らんちゅうには
無い。)と琉金(開き尾を持つ体型が丸い金魚)を交配させて作られたと言われています。体形は琉金に似ていますが、際立って大きな尾を持っているのが特徴です。尾びれは左右
両端から前方に柔らかく反転していて、後方は扇のように水平に広がっています。泳ぐ速度もゆっくりで、その大きく美しい尾を左右に揺らし泳ぐ姿が優美なところから金魚の「女王」
と言われています。体色も赤・更紗(紅白)・白・黄金と様々です。金魚は稚魚の時は黒っぽい色をしていて、その後次第に色が変わってくるのですが、この土佐錦魚は他の金魚に
比べて色変わりが遅いため、三年以上の親魚でも黒いものは珍しくありません。

また、土佐錦魚は、「島根県のいづもナンキン」「愛知県の地金(六鱗)」に次ぐ、日本の三大地金魚の一つです。地金魚というのは、その地域で独自に作られた金魚で、その地域で
しか見ることができない希少性の高い金魚です。そのため、昭和44年8月8日に、高知県の天然記念物に指定されました。

そして、この土佐錦魚には、保存会が結成されていて、長年に渡り保存・普及活動も行われています。土佐錦魚は、尾びれが美しく特徴がありますが、実は、繁殖の際にこの形に
なる金魚は少なく、何万尾に一尾という確率でしか、天然記念物として登録できないほど保存が難しいのです。つまり、ほとんどが少し形が異なる評価の低い土佐錦魚になってしまう
ということです。土佐錦魚は、琉金の交配から品種改良されています。琉金の開き尾は、左右への広がりだけでなく、上下にも開くので、その特徴が土佐錦魚に影響しているのかも
しれません。はっきりした原因は分からないのですが、何れにしても尾びれの形が変形してしまう個体が多いのです。

さらに、土佐錦魚は南国生まれのためか、低温に弱く、体質も繊細で飼育が難しい金魚です。

土佐錦魚は昭和21年の南海大地震で絶滅寸前の数匹になってしまい、現在の土佐錦魚はその数匹から繁殖が繰り返され増えたものです。そのため、血が濃くなり、体質が弱い
のではないかと考えられています。しかし、体質が弱いと言われながらも、太陽を好む金魚なので、飼育場所は屋外が適しています。そして水質悪化に弱く、しかし、水質の変化に
敏感な金魚なので、水の入れ替えをする場合は一日以上置いた汲み置き水を、捨てた古水分だけ足すという方法で行います。なお、夏場は水質が悪化しやすいので、ほぼ全部を
変え、これを毎日行うという方法です。そのような点が体質が繊細と言われる所以かもしれません。何れにしても、飼育が難しく、高価な金魚です。