丹頂と聞いて、一番に思い浮かぶのは「丹頂鶴」という人は少なくないと思います。頭頂が赤、目の周りと首が黒で、体全体は白い羽で覆われているあの鶴です。

しかし、金魚の品種にも丹頂という品種がいます。カンの良い人は分かったかもしれませんが、名前の由来はまさに丹頂鶴です。黒い部分はないものの、頭の肉瘤は赤、それ以外は
白という体色です。まさに丹頂鶴を連想しますよね。

そして、何となく日本産のイメージかもしれませんが、実はこの丹頂は中国で作出されました。日本に渡来したのは、昭和30年代です。体の特徴は、頭部にある赤い肉瘤ですが、
それ以外は「オランダ獅子頭」という品種の金魚と体形はそっくりです。オランダ獅子頭にも頭部に肉瘤があります。また、背びれがあり、長く伸びた開き尾を持っていて、まさに色が違うだけのように見えるのですが、丹頂の作出過程は分かっていません。そのため、オランダ獅子頭と関係があるのかも分かりません。ただ、オランダ獅子頭は琉金という頭部に
肉瘤のない、体に丸みのある開き尾を持った金魚の突然変異から作り出された品種なので、もしかしたら琉金と何かしらの関係があるのかもしれません。

また、この丹頂は大きくなるに従って頭部の赤い肉瘤が盛り上がってきます。肉瘤は大きな物が一つできるという感じではなく、小さなものがいくつかできる状態なのですが、それが多くなりすぎると眼まで覆ってしまい、眼が見えなくなります。しかし、餌には嗅覚を使ってありつくことができるので、餌を食べられなくなって死んでしまうのでは?という心配はしなく
ても大丈夫です。なお、この肉瘤ですが、室内で飼育する場合、赤色が薄くなることがあるので、時々日光に当てるか、発色を助ける餌を与える必要があります。

また、丹頂には日本産と中国産があるのですが、日本産の丹頂の肉瘤は中国産の半分くらいでかなり控えめで、多少盛り上がっているくらいです。それに対して、中国産の丹頂の肉瘤はとても大きくなります。しかし体格は日本産に比べ中国産のほうがやや小柄で華奢です。

丹頂は流通量が多く、手に入りやすい品種で、寿命も15年くらいで飼育し易い品種です。ただ、体長は20センチくらいになる大きめの金魚なので、大きめの水槽か、すいれん鉢や池など外で飼育するのもよいかもしれません。頭部の肉瘤だけが赤いので、横から見る横見より上から楽しむ上見の観賞に向いた品種です。

なお、池と言えば錦鯉のイメージかもしれませんが、実は錦鯉にも丹頂という品種があります。金魚と同様に頭頂のみが赤いのですが、肉瘤はありません。錦鯉の場合は、頭頂
以外の部分の色が名前に入り「丹頂●●」とつけられています。ちなみに、金魚のように頭頂以外の体全体が白い品種は「丹頂紅白」と言われています。金魚の場合は「紅白=
丹頂」で、それ以外はオランダ獅子頭として考えられているので、丹頂にはそれ以上の細かい分類はありません。